写真をとると顔がゆがんで写るんです。

こんにちは。

毎日暑くて、おまけになかなかお休みがとれずに少々夏バテぎみです。

8月は中顔面短縮を含めた頬骨縮小や鼻骨骨きりなどの複合Opeが多く入っていますので夏バテにまけずに頑張ります。

今日は顔のゆがみのお話です。

数年前の話になりますが、知人から息子の顔は普段はゆがんでいないのに写真に写ると顔がゆがんで見えるので一度見て欲しいと言われてカウンセリングを行なった患者様がいました。ちょっとオカルトのような話ですが、実際にお会いして診察してみると輪郭はゆがんでいませんでしたが、左右の目の高さが違っていました。写真をとって見てみると今度は輪郭がゆがんで見えました。

人間は上下顎の歯が噛み合った平面(咬合平面)の左右を水平に保つ習性があると習ったことがあります。たしかに首を傾げて食物は噛みずらいですし、左右の咀嚼筋(物をたべるのに必要な筋肉)や表情筋の緊張度も変わってきますので、重力に対して効率的にバランスよく咀嚼したり話したりするには必要な習性なのだと思います。

カウンセリングにこられた方は普段は咬合平面を水平にしているのでお顔がゆがんで見えなかったのだと思います。写真に写る時は左右の目が自然と水平になり、顔がゆがんで写ってしまっていたのだと思います。

顔の骨格がゆがんでしまう原因は先天性、後天性含めて色々と考えられますが、背骨の側弯、特に首の骨の側弯は頭蓋骨を支えている首の筋肉と咀嚼筋のバランスを崩れさせてしまいますので、左右の咀嚼筋群の力の均衡がくずれて顔の骨格にも影響を与えます。逆に噛み合わせを含めた顔面骨格のゆがみから首の筋肉に影響が出て、首の骨が側弯し、ひいては背骨も側弯してしまうということも考えられます。

したがって背骨の側弯などを伴う顔のゆがみは背骨の側弯も治療の視野に入れておかなくてはなりません。

また術後は後戻りを防ぐために定期的に診察して咀嚼筋や表情筋のトレーニングを行います。場合によってはボツリヌストキシン注射をして緊張の強い筋肉の力を和らげます。

ゆがみ修正術(Le Fort type 1 osteotomy, SSRO, 鼻骨内側外側骨きり術 )の症例です。

Ran-BA-F

左右の目を同じ高さにすると中顔面から下顔面が鼻を含めて右側にゆがんで見えます(Before A)。鼻筋を垂直にすると左右の目の高さが違って見えます(Before B)。

Cepharo

術前と術後の正貌セファログラムです。術前は咬合平面が傾き、鼻の穴もゆがんでいます。

Ran-BL1

Ran-A-L1

術前の左右の横顔では左側貌の方が顔が長く見えます。 術後は左右の横顔の差はほぼなくなりました。

この症例では患者様の希望で中顔面を少し短縮していますので少し小顔にもなられました。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

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