こんにちは。
秋ですねー。朝晩は少し冷え込むようになりました。
2001年の10月はドイツの大学病院で骨きりや再建外科を学んでいたのですが、この時期はまだlate summerで19時近くまで明るく、気温はすでに12度くらいでしたが日の当たる場所はまだ暖かく気持ちの良い季節でした。
日が長いのっていいですよね。仕事が終わっても明るいとホッとします。
この季節、日本は17時くらいが日の入りですから仕事が終わって帰る頃は真っ暗になってますよね。
この季節が来るたびにヨーロッパに戻りたくなります。
さて今日は顎間固定のお話です。
日本ではまだまだ両顎手術後に顎間固定をすることが多いのですが、咬合を大きく変える場合を除いて当院では通常顎間固定は行いません。その理由は明白で数は少ないものの顎間固定が原因で窒息死をしている事故が起きていることです。まず顎が固定されているために息が苦しくなっても大きな声を出して助けを呼べません。また口腔内の出血や嘔吐物の排出ができないため気管に吸い込んでしまう誤嚥が起きる可能性があります。顎間固定は骨切りした骨(特に下顎)の安定、後戻りの防止、咬合の安定などを主な目的としますが、手術中に正しい位置で下顎の骨片が強固なプレートで固定されていれば咬合は安定しますし、固形物、中でも硬い固形物を噛まなければ下顎がずれることはありません。
イギリスのウエールズにシュガー先生という骨きりの世界的な名人がいて、彼の下で働いている時のことですが、下顎骨きり術後に顎間固定をしないで経過を観察する臨床試験が行われていました。結果として咬合を大きく変えることのない症例で強固なプレートで固定をすれば顎間固定をしなくても良いのだという結論に至っていました。
当院では手術翌日から2週間の間はゼリーやお粥、卵豆腐、茶碗蒸しなど舌ですりつぶせる物を食べていただき、次の2週間は柔らかく炊いたご飯や柔らかいおかず、例えば煮魚、煮野菜など食べていただきます。
1ヶ月経つ頃には咬合も安定してきます。1ヶ月以降は硬いものを避けて普通食が食べられるようになります。
当院における顎間固定の例
輪ゴム2本で牽引誘導してるだけですので口は開けることができます。




