受け口
しゃくれ(反対咬合)、下アゴ全体が突出している方
しゃくれ(反対咬合)、下アゴ全体が突出している方
目次
受け口は外見上、下顎が上顎よりも前方に見える状態です(噛み合わせが逆なので反対咬合ともいいます)。横から見ると下唇が上唇よりも前方に突出しており、前歯部の噛み合わせでは下顎の前歯が上顎の前歯よりも前方に突出しています。上下の唇を合わせると下唇より下の部分が長く見え、アゴ(オトガイ)が長く見えます。原因は大きく3つに分かれます。
一番多いのが下顎骨の過成長により下顎が全体的に上顎に対して前方に位置している場合(A)で下顎枝矢状分割法(SSRO)あるいは下顎枝垂直骨切り術(IVRO)が適応になります。このような症例ではオトガイも長い場合が多くオトガイの短縮が必要になる場合もあります。
二番目は歯並びがわるく下顎の前歯部が後方の歯に押し出されるような形で前方に位置しており上顎の前歯よりも突出している場合(B)です。このような症例では下顎分節骨切り術(Köle法:ケーレ法)あるいは矯正歯科治療が適応となります。
三番目は上顎全体が劣成長で後退しており見かけ上、受け口に見えている場合(C)です。このような症例に対して下顎を下げてしまうと上下の歯の噛み合わせは一見良くなったように見えますが、外見上凹凸のない平面的な顔になります。このような症例において受け口の原因を判断することは難しく必ずセファロ分析をしなくてはなりません。上顎全体を前方に移動させる必要があるためLe Fort type 1 osteotomy(ルフォーⅠ型骨切り術)が適応となります。
SSROで下顎を後退させる場合は下図(真下から見た下顎骨)のように下顎が全体的に小さくなるので下顎全体の小顔効果も得られます。薄い線がもとの下顎の大きさです。下顎の幅も小さくなることがわかります。
下顎枝を矢状方向に分割して下顎を後退させる施術です。下顎を左右上下に自由に移動させることができ、分割した骨片同士の接触面積が広く骨の治癒に有利ですが、その術式が難しく、また下歯槽神経が下顎骨の外側にある場合、この神経を傷つける可能性が高いことが欠点とされてきました。現在は3DCTや精密な骨模型で下歯槽神経管(下歯槽神経の通っている下顎骨の中の管)の位置を特定し、術前に模擬手術をして確認できますので下歯槽神経損傷の危険は避けられるようになりました。
下歯槽管( 下歯槽神経の通っている管)が下顎骨の外側にあり、SSROを行うと下歯槽神経を傷つける可能性が高い場合は本術式で下顎の後退を行います。 IVROはSSROに比較して術式が簡単で前述のように下歯槽神経傷害が少ないなどの利点があります。しかし、切り離された骨片同士を固定しないため、骨切りした切断面と後退させた骨が重なり横に張り出し、SSROのように下あごの幅は小さくなりません。さらに長期(4~5週間)の顎間固定が必要であり、SSROに比較してダウンタイムが長いという欠点があります。
下顎前歯部(左右の犬歯間)を下顎骨体から切り離して後方移動(セットバック)、前方移動、挙上、低下させることのできる施術です。 Wassmund法と同様に術式が容易で臼歯部(奥歯)の噛み合わせが変わらないため一般的に美容外科で用いられることの多い施術ですが、SSROやIVROのように下顎全体を移動させることはできません。
矯正装置を気にしない人、時間がかかっても良いという方には矯正歯科治療をおすすめいたします。下顎前歯部を後方に下げながら歯並びも美しくすることができます。
歯に矯正用ブラケットを介して矯正用ワイヤーを装着し少しずつ歯を移動させて口元突出を改善する方法です。手術とことなり一期に口元を整えることはできませんが、上下顎前歯部を後方に移動させつつ全体的に歯並びを美しく整えることができます。また手術の腫れによるダウンタイムがありません。
歯並びや歯の大きさにもよりますが通常上下の第一小臼歯を抜歯して歯を並べる隙間を作り前歯部を後方に移動させながら歯並びも整えてゆきます。口を開けた時に矯正装置が目立たないようにホワイトワイヤーや透明ブラケットを使用します。症例によっては装置を歯の裏側に装着することもできます。
施術時間 | 3時間 |
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麻酔 | 全身麻酔 |
痛みの度合い | |
ダウンタイム | 夜間ギブス固定:平均1週間|腫れのおさまり:3mo(下記へ) |
メイク | お化粧は可能です。 |
シャワー | 体が温まり過ぎない程度に可能 |
食事 | 翌日の診察後から |
◇腫れのおさまりについて
術後3日ごろがピークでその後徐々に引いてゆき2週間程度で手術による腫れは消失します。その後、むくみは残り3ヶ月程度で落ち着きます。
◆ 下あご全体が突出している場合、受け口の治療はSSROやIVROが適応です。
多くの美容外科で行われている下顎分節骨切りで治療すると前顎が突出した不自然な仕上がりに
SSROやIVROは専門的な知識と技術、経験が必要な手術です。多くの美容外科では受け口の原因に関係なく下顎分節骨きり術で受け口を治しています。本来なら抜歯しないで治せる受け口でも下顎分節骨きり術で施術するため抜歯を余儀なくされます。また下顎の前歯部だけが下がるため結果的にアゴ(オトガイ)が突出して見えるようになります。そのような症例ではたとえアゴを削ったとしても自然な仕上がりにすることは困難です。当院では診察、顎模型、3DCT、セフアロ分析をとおして受け口の原因を特定して施術を選択あるいは組み合わせて自然な輪郭に整えます。
輪郭整形、骨格形成、目もと、鼻、耳などの各美容施術のご予約~カウンセリング~手術~術後検診までの流れをご説明致します。
国内の患者様を対象とした料金となります。海外からお越し頂く方は施術により料金が変動致しますので、必ずお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
施術項目 | 金額 (税込) | |
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Wassmund | ¥1,100,000 | |
Köle | ¥935,000 |
施術項目 | 金額 (税込) | |
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上下セットバック Köle+Wassmund | ¥1,831,500 | |
Köle+Le Fort 1 | ¥2,326,500 |
施術項目 | 金額 (税込) | |
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Köle | ¥935,000 | |
SSRO (Obwegeser-Dal-Pont法) | ¥1,540,000 | |
SSRO (Paralle法) | ¥1,650,600 | |
IVRO | ¥1,210,000 |
施術項目 | 金額 (税込) | |
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両顎手術 SSRO(Paralle法)+Le Fort 1 | ¥2,860,000 | |
SSRO(Paralle法)+オトガイ形成術 | ¥2,024,000 | |
SSRO(Paralle法)+Kole | ¥2,068,000 |